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作成日:2019/05/26
年次有給休暇の時季指定の方法



2019年4月に施行された年次有給休暇の5日取得義務に関し、よく受ける質問について、運用上の考え方を厚生労働省がリーフレットで示しましたので、ご紹介します。

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Q1.
法定休日ではない所定休日を労働日に変更し、当該労働日について、使用者が年次有給休暇として時季指定すること。
A1.
実質的に年次有給休暇の取得の促進につながっておらず、望ましくありません。

Q2.
会社が独自に設けている有給の特別休暇を労働日に変更し、当該労働日について、使用者が年次有給休暇として時季指定すること。
A2.
今回の改正を契機に当該特別休暇を廃止し、年次有給休暇に振り替えることは、法改正の趣旨に沿いません。また、特別休暇などの労働条件の変更は労働者と使用者が合意して行うことが原則です。
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ここで取り上げられているものは、年休取得義務の制度が決まった頃に巷で考案された方法で、皆さんもどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか?

私自身、この方法について見解を求められたことがあり、『法律で罰則はないけれども、これから判例が蓄積(→今後、この運用方法の是非について裁判が起こされると考えています)されていくなかで、“好ましくない方法”であるという判断になるでしょうから、この方法で運用することはおススメしません』と回答していましたが、今回、リーフレットを通して考え方が明示されたことで、この民間療法的な対応はいよいよNGになったと考えています。

一度決めたルールが固定化すると、変更するときには莫大なエネルギーが必要となります。年休取得5日義務化はスタートしたばかりの制度ですので、Q1.やQ2.の方法を採用している会社がありましたら、今後に不要な火種を残さないためにも、リーフレットを今一度ご確認いただき、運用方法の再考を行うきっかけになればと思います。

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